東京大学大学院工学系研究科 光量子科学研究センター

Photon Science Center of the University of Tokyo

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イベント

セミナーのお知らせ: 井元信之氏(東京大学理学系研究科フォトンサイエンス研究機構)

以下のとおりセミナーを開催いたします。皆様のご参加をお待ちしています。

UTriplセミナー ・PSCセミナー ・IPSTセミナー ・ICCPTセミナー ・ALICeセミナー
CIAiSセミナー ・XPSセミナー
TACMIコンソーシアムオープンセミナー

日時:2020年1月28日(火)10:30~11:30
場所:東京大学本郷キャンパス 理学部1号館3階338講義室

講演者: 井元 信之 氏
            (東京大学 理学系研究科 フォトンサイエンス研究機構)
講演題目: 空をみて想う量子通信の話

Abstract  PDFファイル

   量子コンピュータ(NISQ)や量子アニーラには超伝導量子ビットの他にも様々なハードの方式があり、光を用いる方式もクラウドサービスが供されている。このようなことを各地でレビュー講演する機会があるが、「光を用いる方式はなぜ冷やす必要がないのか」という質問を受けることがある。「室温で実施されているということだが、熱雑音が強すぎ、量子性が失われるのではないか」という質問だ。これは基本的な質問で、答は「光ではℏω >> kTだから室温環境は絶対零度に見えているからだ」となる。これで質問の答にはなるかもしれないが、もう少し考えると、量子暗号で特定の波長帯しか用いられていない理由の説明にはならない。もちろん石英光ファイバーを用いる長距離量子暗号は波長1.55 μm近辺の通信波長帯に限定されることはいいとして、空間光ビーム量子暗号も通信波長帯から大きく外れて実験されることがないのはなぜか? なぜもっと広範囲の波長が使われないのか、など、疑問は尽きない。これらについてときどき空をみて想う(空想する)ようになり、答が明解に得られているわけでもないが、これらのことを調べたり考えたりするのも無駄ではないと思う。
   5月から毎月おこなって来たセミナーの最終回として、今回は量子通信の話をしたい。ただし、量子論を展開して深く掘り下げるというよりは、上記のような視点で可能性を広げることを考えてみたい。



使用言語:日本語
紹介教員:湯本潤司教授(理学系研究科物理学専攻)

本件連絡先:
※本セミナーはオープンですが、記録のため、参加者のお名前、ご所属、連絡先を当日ご記入いただきますのでご了承ください。