東京大学大学院工学系研究科 光量子科学研究センター

Photon Science Center of the University of Tokyo

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イベント

セミナーのお知らせ: 戸田 圭一郎 (東京大学大学院理学系研究科附属フォトンサイエンス研究機構 特任研究員)

以下のとおりセミナーを開催いたします。皆様のご参加をお待ちしています。

UTriplセミナー ・PSCセミナー ・IPSTセミナー ・ALICeセミナー
GMSIセミナー ・WINGS CFSセミナー
TACMIコンソーシアムオープンセミナー

日時:2024年3月29日(火)10:030~12:00
場所:東京大学理学部1号館3階340号室 および ZOOM(どちらも事前登録制)
講演者: 戸田 圭一郎 氏
            (東京大学大学院理学系研究科附属フォトンサイエンス研究機構・特任研究員)
講演題目: 高感度中赤外フォトサーマル顕微鏡

Abstract  PDFファイル

 

中赤外吸収、ラマン散乱顕微鏡を用いた非標識分子振動イメージングは、試料の屈折率分布などを通して形態情報を可視化する一般的な可視光顕微鏡では得られない化学情報を提供し、生命科学をはじめとした様々な分野で重宝されている。特にサブマイクロメートルの高空間分解能でのイメージングには、主に可視-近赤外光を照射するラマン散乱顕微鏡が用いられており、中赤外光の回折限界により分解能が数マイクロメートルにとどまる中赤外顕微鏡のアプリケーションは限られていた。そこで我々は、中赤外吸収による試料の局所温度上昇に伴う屈折率変化分布を、可視光顕微鏡を用いて検出することで、可視光の回折限界で決まる分解能を達成する中赤外フォトサーマル顕微鏡を開発し、中赤外顕微鏡を単一細胞イメージングなどにも適用可能にした。しかし、フォトサーマル効果による屈折率変化は元の屈折率分布の1%以下であり、それを高コントラストで可視化するにはさまざまな工夫を要する。我々は最適な高強度赤外光源の開発、新たな高感度可視光顕微鏡の実証などを行い、昨年ビデオレートを超える中赤外フォトサーマルイメージングを達成した。また、それを用いて、近年未解決問題への議論が加熱している細胞温度生物学へのアプローチを行った。本講演では、中赤外フォトサーマル顕微鏡の原理、高感度化の軌跡、生物物理学への応用などを紹介する。



使用言語:Japanese/日本語
紹介教員:井手口 拓郎

本件連絡先:
申込方法:Google forms(下記)にて参加の申し込みを行ってください。
  当日までにご登録いただいたメールアドレス宛にZoomのURLを送付いたします。

https://forms.gle/cu3RxoCiDXvLNyeu8
※本セミナーはオープンですが、記録のため参加者のお名前、ご所属、メールアドレスをいただいております。