東京大学大学院工学系研究科 光量子科学研究センター

Photon Science Center of the University of Tokyo

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ニュース&トピックス

セミナーのお知らせ: 尾崎 典雅 氏 (大阪大学 工学研究科 准教授)

以下のとおりセミナーを開催いたします。皆様のご参加をお待ちしています。

UTriplセミナー ・PSCセミナー ・IPSTセミナー ・ICCPTセミナー ・ALICeセミナー
CIAiSセミナー ・XPSセミナー
TACMIコンソーシアムオープンセミナー
Q-STEPセミナー

日時:2022年3月28日(月)13:00~14:30
場所:ZOOMでの開催(事前登録制)
講演者: 尾崎 典雅 氏
            (大阪大学 工学研究科 准教授)
講演題目: レーザー励起WDMの生成とその観察・計測

Abstract  PDFファイル

  我々の研究グループでは2015年末頃から、高出力ナノ秒ロングパルスレーザーをSACLAと結合させた研究プラットフォームでの研究を展開している。大阪大学のキロジュールクラスの大型レーザーと異なり、SACLAに整備されたコンパクトなレーザーでは、最大出力の制限から、より効率的かつ効果的にエネルギー密度を上げて、いわゆる“Warm Dense Matter”もしくは“超高圧状態”とよばれる条件を実現することになる。研究の目的や、試料およびその厚さなどにもよるが、現在の標準的なレーザー条件では、10^13 W/cm2レベルの照射エネルギー密度が得られ、数100万気圧(〜100ギガバスカル)超の高エネルギー密度状態の物質を生成し調べることができる。レーザーで生成された極限状態に、点集光したXFELプローブが照射され、高速で運動中の格子や分子からの明瞭なX線回折パターンを得ることができる[3,4]。段階的に同期ハイパワーレーザーの高出力化や計測システムの高性能・高機能化を進めながら、多くの共同研究者の参画・協力を得て当該分野の発展に寄与する研究成果が得られはじめている。 当該セミナーでは、1) これまで継続的に進めてきた高硬度材料(ダイヤモンド)に関する研究の結果を通じて、動的な圧力の印加で物質がどのような状態となるのか、またどのように変形・破壊にいたるのか[5]、などについて明らかにされたことを紹介する。また、2)様々な酸化物に関する結果から、我々の自然(例えば地球)にもたらされた岩石や鉱物がかつてどのような状況・状態を経験してきたのか[6,7]、を明らかにするための応用例などもいくつか概説できればと思う。 [1] 尾崎典雅:光学 47, 424 (2018); 高圧力の科学と技術30, 216 (2020). [2] Y. Inubushi, T. Yabuuchi, T. Togashi, et al.: Appl. Sci. 10, 2224 (2020). [3] K. Katagiri, N. Ozaki, S. Ohmura, et al.: Phys. Rev. Lett. 126, 175503 (2021). [4] G. Rigon, B. Albertazzi, T. Pikuz, et al.: Nat. Commun. 12, 2679 (2021). [5] K. Katagiri, N. Ozaki, Y. Umeda, et al.: Phys. Rev. Lett. 125, 185701 (2020). [6] T. Okuchi, Y. Seto, N. Tomioka, et al.: Nat. Commun. 12, 4305 (2021). [7] Y. Umeda, K. Fukui, T. Sekine, et al.: Icarus 377, 114901 (2022).



使用言語:日本語
紹介教員:石川顕一

本件連絡先:
申込方法:Google forms(下記)にて参加の申し込みを行ってください。セミナー当日午前中にご登録いただいたメールアドレス宛にZoomのURLを送付いたします。
https://forms.gle/gMLTxfTyXrmjtvV4A
※本セミナーはオープンですが、記録のため参加者のお名前、ご所属、メールアドレスをいただいております。